晴れの国おかやま24時間・100キロ歩行 その3
2026.06.05

こんにちは。上田建築工房の上田です。
今年も梅雨入りの季節を迎えましたね。
梅雨時期は気温がそれほど高くなくても湿度が高いため、熱中症のリスクが高まります。
みなさま体調にはお気をつけください。
さて、今回も前回のブログの続きをお話ししたいと思います。
足はすでに棒のようになっていましたが、それでも一歩ずつ前へ進みながら、勾配のきつい坂道を登っていきます。
歩みを止めず、気持ちは常に前へ。
体を少し前に倒すと、それを支えようと足が自然と前に出ます。
「右、左、右、左」と声に出しながら歩いていると、いつの間にか「もうやめよう」という考えが頭から消えていきました。
辛い時ほど、この歩き方が効果的だという発見もあり、何とか歩みを止めることなく進み続けました。

やがて、延々と続いていた登り坂の先が見えなくなりました。
「ああ、やっと終わる…」
そんな安堵感に包まれながら、「よく頑張った」と自分を褒めました。
「やった。頂上までたどり着くことができた」
そう呟きながら足を止め、ガードレールにしがみついてしばし休憩です。
長時間うでを振って歩いたことでむくんだ手と、乳酸が溜まっている足を振ってほぐしました。
体が冷えると動けなくなってしまうため、休憩もそこそこに、再び歩き始めました。
ところが、登った分だけ今度は下り坂が続きます。
数歩歩いたところで「下りは全体重が足にのしかかる」ということに気付きました。
昔より痩せたとはいえ体重はありますし、左膝には古傷があります。
そのため膝サポーターを着けて歩いていましたが、その左膝に割れそうなほどの激痛が走りました。
サポーターは平地や登りではかなり助けになっていましたが、下りではほとんど意味を成しません。
後ろ向きに歩くなど工夫を重ねながら、300mほど歩いては休み、また歩く。
その繰り返しで、何とか最初の炊き出し地点に到着しました。
本部サポーターの皆さんが大歓迎で迎えてくださり、その温かさに心が救われます。
この100kmウォーク最大の難関とも言える山越えを、何とかやり切ったのだと実感しました。
炊き出し会場には百笑のサポーターの皆さんもいて、優しく声を掛けてくださいます。
本当にありがたい。
とりあえず椅子に座り、温かい卵かけご飯をいただきました。
この卵かけご飯が、とにかく美味しく、これまで食べた中で間違いなく一番で、一瞬で平らげてしまいました。
「体育館でストレッチもできるよ」
サポーターの方が気遣ってくださいましたが、実はこの時すでに、靴を脱いだら二度と履けなくなる気がしていました。
そのためストレッチは諦め、少しでも前へ進もうと再び歩き始めました。
外はすでに真っ暗で雨も強くなっていました。
暗い道を歩き続けると、やがて片上湾が見えてきました。
ここは、昨年娘がテニスの岡山県強化選手選考会へ向かう際に通った道です。
夜道は景色の変化が少なく、時間がとても長く感じられますが、当時食事に立ち寄った店や、一生懸命頑張る娘の姿を思い出しながら歩きました。
そんな中、片上湾沿いの真っ直ぐな道路を歩いていた時のことです。
猛スピードで走ってきた車が水たまりをはね、大量の水を浴びせられるというハプニングが起きました。
肉体的なダメージに加え、精神的なダメージも重なり
「少し休みたい」「もう座りたい」
そう思いながら、座れる場所を探しました。
すると天の導きか、ベンチのあるバス停を発見しました。
すでに先客がいましたが、
「すみません、隣に座らせていただいてもいいですか?」
と声を掛けると、
「どうぞ」
と快く迎えてくださいました。
そして隣を見ると、その方は私よりもはるかに年上の方でした。
その方が自分より先にここまで到達していることに、自分の不甲斐なさを感じました。
備前の山道を登り切ったのが18時55分頃。
51.3km地点の伊里漁協本部エイドに到着したのは20時50分頃でした。
そこで少し椅子に座って休憩し、百笑エイドに到着したのは21時頃。
55km地点で約11時間。かなりギリギリのペースです。
百笑のサポーターが用意してくださった温かいラーメンをいただき、奇跡的に再会したT氏と再び一緒に歩き始めました。

ところが、しばらく歩いているうちに、またいつの間にかT氏とはぐれてしまいました。
それでも何とか閑谷の本部エイド、大池緑地公園に到着。
疲労はかなり蓄積していました。
ストーブの前の席に座り、痛みで悲鳴を上げていた足の小指を、靴を脱いでマッサージしました。
この時は、用意されていた豚汁を味わう余裕はなく、体を温め、痛みを和らげることだけに集中しました。
ストーブの前でじっと温まっていると、不思議なことに体の痛みが少しずつ和らぎ、かなり楽になりました。
その後、到着したY氏が「先に出た」と聞き、すぐに後を追います。
しかし、すでに体力を大きく消耗しているこの地点から、さらに厳しい坂道が続くとは思いもしませんでした。
狭い視界の中、長い登り坂を何とか越えると、今度は再び地獄のような下り坂が待っていました。
みんなが付けているヘッドライトの光が先の方まで見えます。
歩いてはガードレールにしがみつく。また歩いてはしがみつく。後ろを向いて歩く。
その繰り返しで何とか下り坂を乗り越えました。
平坦な道が、これほどありがたいと思ったことはありません。
時間にも余裕がなくなってきている。
それでも、自分が思っている以上に足が前へ出ません。
そんな戦いを続けながら、ようやく和気駅の百笑エイドへたどり着きました。
足が一定以上曲がらなくなっているので、椅子に座ることさえ辛い状態です。
それでも、みんなの応援や手厚いサポートが元気を与えてくれます。
ここまで来ると、みんなの期待に応えたいという気持ちが強くなっていました。
「何とか完歩してほしい」
そう願ってくれている仲間たちの思いも背負って歩いている。
みんなの声援のおかげで、私は自分一人の力だけで歩いているのではないことに気付かされました。
感動のフィナーレにつづく・・・

すべてに感謝

