『自分、不器用ですから』で有名な高倉健さんに聞いたこと
2025.06.20

いつもお世話になっております。
上田建築工房の上田です。
今年の空梅雨ぎみの暑い日が続いておりますが
お変わりなくお過ごしでいらっしゃいますでしょうか。
さて、以前購読していた雑誌のメールマガジンに、俳優・高倉健さんのことが綴られていました。
高倉健さんが亡くなって、もう11年が経つのですが、時の流れが早いことに驚かされます。
そのメールには、高倉健さんに憧れる一人の青年から質問されたエピソードが書かれていました。
『どうしたら、高倉健さんみたいな人柄になれるのでしょうか?』
青年のその問いに、健さんはじっと考えて
「それはよい人のそばにいることだ。よい人のそばにいると、よい風が吹いてくる。
厳しい冷たい風ばかりに当たっていると、人間がエグくなる」と答えたそうです。
流石は高倉健さんです。
似た言葉を私の好きな、相田みつをさんも書に遺しています。
『人の世の幸不幸は 人と人とが逢うことからはじまる よき出逢いを』
この言葉と出会った時に、過去を思い返し、こんなことを考えたものです。
「会社は選べるけど、経営者は選べないな」と・・・
なぜこんなことを考えたのか自分でもよく覚えていませんが、“とてもいい悩みだった”と今では思います。
かつて私が1万人以上の大手会社に勤めていた時、社長に直接会うことは一度もなく、名前すら知られていないと思っていました。
それが、100人以下の会社に転職してみると、経営者と社員の距離の近さに驚きました。
名前を知ってもらえて嬉しい反面、経営者の短所も目に付くようになりました。
そしてまた、「会社は選べても、社長は選べないなー」と思ったものです。
以前は『経営者は経営哲学が必要だ』と、よく耳にしていましたが、その答えに気付くことができたのは、尊敬する恩師の言葉がきっかけでした。
「上田さんは2つの眼で社員を見ているけど、上田さんは社員が10人いたら、20の眼で見られているんだよ」と。
その言葉が胸に刺さり、『だからこそ哲学が必要なのか』と気づかされました。
ある時、経営理念の話を部下から聞いたときも感銘を受けた事がありました。
その部下が話をしてくれたのは、私も尊敬しているある経営者の言葉でした。
『経営理念(経営哲学)は誰がどこからみても、丸くなければいけない、社員からも、お客さんからも、協力業者さんからも』という話を聞いて、経営哲学と経営者哲学は似ている事に気づかされました。
同時に、「自分はまだまだ道半ばだ」と自覚できました。
今の自分の結論は、経営者とは、社員やお客様、関わるすべての人、そして広く見れば地域社会、それらの幸せを願える人でなければ、この世の中は不幸になっていく―――そんなことに気づかされました。
一生勉強、一生青春

すべてに感謝