灯りをともす
2026.09.14

こんにちは。
上田建築工房の池田です。
今回は、私たちの地域が抱えているある問題について少し触れたいと思います。
それは、空き家の増加です。
少子高齢化に伴う人口減少、都市部への人口の流出等により、空き家がものすごい勢いで増えています。
これは新見市だけではなく、全国においても言えることです。
そこで、空き家が増えることによるリスクをいくつかあげたいと思います。
- 不審者侵入、不法投棄などの犯罪リスクが高まる。
- 老朽化による建物の倒壊、落下物によるリスク
- 景観が悪化し、地域イメージが低下
- 害獣・害虫の発生源となり、衛生面が悪化
上記にあげたことが地域で起こると、地域への愛着・帰属意識が低下することになり、住み手がますます定着しづらくなるといった悪循環が生まれてしまいます。
こちらに関しては、地域密着でしている我々大変危惧しているところであります。
また、今住まれている方の代で住み手が居なくなる、いわゆる「空き家予備軍」も多くあることが予測できます。
では私達が出来ることは何があるか。
9月9日から2日間、滋賀県甲賀市・信楽にある森工務店様へお邪魔してきました。
森さんは最近、築75年近くになるご実家をフルリノベーションされ、モデルハウスとして活用されています。
そこは家づくりを検討されている方に見ていただくだけではなく、地域の方々が集まり、交流できる場所としても活用されていました。
私の所感は、「え?これ新築?」でした。見ただけではリノベとは思わないです。そしてデザインだけではなく、暮らしを考えに考えた設計で現在の新築相当の性能を実現していました。
現在はリノベでも新築相当の性能に出来る時代です。しかも、新築を一から建てるよりコストも抑えることが出できますが、リフォームやリノベは新築に比べて設計・施工が難しいです。
少しイメージしてみてください。
何かをつくるとき、何もないゼロの状態から自由に組み立てていくのと、すでに誰かがつくったものを活かしながら、アレンジしてつくり直していくのとでは、どちらが難しいでしょうか。
おそらく後者の方が、考えなければならないことが多いと感じるのではないでしょうか。
さらに、そのすでに組み上がっているものが、グラグラして今にも倒れそうな状態だったらどうでしょう。
「それなら、一度全部壊して最初からつくり直した方がいい」そう思うかもしれません。
でも、「壊してはいけない」というルールがあったらどうでしょうか。
今あるものを残しながら、弱いところを見極め、補強し、新しいものへとつくり変えていく。
古い建物をリノベーションする難しさは、まさにそこにあります。
ここが、リフォーム・リノベーションの難しさの一つです。
現在では、耐震性能に対する考え方や建築基準も昔とは大きく変わっています。当然、何十年も前に建てられた住宅は、現在と同じ基準で建てられているわけではありません。
建築当時は適法であっても、その後の法改正によって現在の基準に適合しない部分がある建物を、「既存不適格建築物」といいます。
古い住宅をリフォームする際には、ただ見た目をきれいにするだけではなく、今ある建物の状態を見極め、必要な補強を行いながら、現在求められる安全性に近づけていくことが重要になります。
そうしなければ、私たちが目指す「安心で安全な暮らし」を提供することはできません。
ここまで読んでいただくと、リフォームやリノベが難しいものだということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
話を戻しますが、空き家を活用するためには、リフォームやリノベが不可欠だと思います。
森工務店さんは築75年の空き家だった家に再び灯りをともし、そこが地域の方の交流の場になっている。
誰もいなかったはずの場所に多くの方が集う。
「マイナスをプラスに変える」これが私たちのできることではないかと思います。
そして、この役割は私たちを含め、地場の工務店が担うべきであると考えます。
また、私たちは、改修するだけでなく、中古物件の発掘、購入にも携わっていけたらと思っています。地域の課題は私達の課題。その想いで空き家問題に取り組んでいきます。

今回はこの辺で。
最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。
すべてに感謝

