世界一貧しい大統領から学んだ持続可能な社会
2025.07.08

いつもお世話になっております。
上田建築工房の上田です。
少し前の話になりますが、世界一貧しい大統領として世界に愛された第40代ウルグアイ大統領のホセ・ヒムカ氏が、5月13日に惜しまれながらこの世を去りました。
私がヒムカ氏を知ったのは、あの有名な国連での発表がきっかけです。
2012年、ブラジル・リオデジャネイロで開かれた国連会議でのこと。
「貧乏な人とは、無限の欲があり、いくらあっても満足しない人のことだ」
ムヒカ氏が発したこの言葉は、世界中の人々の胸に刺さったのではないでしょうか。
便利さを追い求め、大量に消費し続ける今の社会。
私は彼の問いかけに、持続可能な社会がいかに大切かを考えさせられました。
話は変わりますが、現在、日本の住宅の平均寿命は30年といわれています。
これまでの住宅は、建てては壊し、建て替えることを繰り返してきました。
しかし、最近では長期優良住宅が誕生し、住宅の長寿命化が当たり前になりつつあります。
当社でも『100年続く家づくり』を掲げ、住み続けられる為に、何が必要かを考えに考え、今にいたります。
私達が最もやらなければいけない事は、住まいを守る職人を増やし、技術を残すことです。
ところが、大工職人の人手不足はこれからはじまると言われています。
現状では以下のように

出典:「大工就業者数の推移」(国土交通省)(https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/content/001581926.pdf)
2020年時点で60歳以上は12.8万人。
大工全体の43%を占めており、約半分の職人が高齢化しているのが現実です。
この先輩方が67歳まで働けたとしても、2027年以降は、大工職人不足が深刻化していくでしょう。
私自身も以前は大工として現場に立っていました。
だからこそ、職人さんの社会的地位をもっと高めたいという想いがあります。
会社では1級技能士の資格取得や技能競技大会への参加を推奨し、社員たちがそれに応えてくれています。
そのおかげで現在の会社が存続できていると感謝しております。
車の運転には免許が必要なのに、家を建てる大工には免許がいらない。
命と財産を守る大切な仕事なのに、少し不思議ですよね。
私達は“真の住まいの守り手”として、技術力を向上させる取り組みを引き継いでくれている社員と共に、持続可能な住まいを守るために確りと取り組み、社会に貢献していきたいと思います。

すべてに感謝